恋人の終止符。
なんだか頭がゴチャゴチャだけど。
「アキ、結婚しよ」
いろんな事が重なって、ちょっと訳わかんないけど。
それでも嬉しくて。
嬉しくて嬉しくて。
ヒロキの顔が、涙で歪んだ。
「待たせすぎだよ、バカ…」
あたしの涙が溢れるのと同時に、ヒロキがあたしを抱きしめた。
「俺、久々にアキの手を触ったらさ、思ったより小さかった」
ヒロキは、夢の中でのあたしと一緒のような事を言う。
結局、あたしが図書館に行ってからヒロキが事故に遭うまでの出来事は、なんだったんだろう。
確かに感じた温もりや、心の痛み。
あれは本当に夢だったんだろうか。
夢で終わらせてもいいのだろうか。
「だからさ、指輪もサイズ間違えた。ゴメン」
「……え゙」