お姫様の苦悩
「王子っ、コレあげる〜。」


「ん?……って、コレ倉本から貰ってた物だよな?」


「うん、いらない。」


「いらないって……誘われてたじゃないか。」


「なくしたって言えばいいんだよ。明後日、蜜姫ちゃん休みだから誘ってみたら?」





姉がまた余計なお節介を発揮してる。





「ちょっと……気持ち悪い。」





緩んだ私の顔を見て美和が表情を歪める。





この時の私は、一時的に頭がおかしくなったのか、若王子さんに同情してしまったのかもしれない。




「何よ〜、言いなさいよ。」





不器用な人………相談する相手を間違ってるのになんで気付かないかな―――。





でも、本気なんだとわかった。





だから、悉く失敗し続けた2人の作戦に乗ってみようと思ったの。



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