お姫様の苦悩
「うっわぁー……若王子さん可哀想。」


「はぁ?なんでよ。」


「タイミングが悪いって言うか……優し過ぎるのもね〜。それにしてもアンタって冷たい女ねー。」



昼休み、美和と食堂でお昼を食べ今朝の事を話すとボソっと呟く。




エレベーターで乗り合わせ挨拶を交わした後、終始無言だった私と譲さん。





昨夜の事で何か言ってくるのかと思ったが何もなかった。





「今日は、車じゃないんですか?送って行きましょうか?」





1階に着き、エレベーターから降りるとそう言われ送ってもらう理由も義理もない私は、譲さんを睨んでしまった。





「結構です。隣人にそこまでしなくてもいいですから。」





駅に向かう途中は、彼女がいるくせによくもぬけぬけと言えるもんだなと苛々していたが、電車に揺られている間にその苛々は収まり逆に、嫌味過ぎたかもと申し訳なく思ってしまった。





昼休みに入りすぐに美和に話を聞いてもらったが、譲さんが不憫とでも言うような口振りだ。




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