お姫様の苦悩
それがいけなかった。





高校時代、クラスの女子の中で一番親しかった奴がいて昔話をしながらピッチは早まって行きとうとう酔い潰れた。





「譲っ、三上をちゃんと送ってやれよ?ったく、お前ら相思相愛なんだからさっさと寄り戻せよな〜。」





俺の肩に頭を預け、寝てしまった三上と俺は同級生から勘違いをされた。





相思相愛って…………俺は一度も好意を持った事がないってのに。




三上は男勝りでゲームや漫画の話がキッカケで喋るようになった唯一の女友達でしかなかった。





否定しようにも、周りの奴らもどうせ酔ってるだろうしそれこそ悪化しそうだ。





仕方なく、送る事にしたが三上の家なんて知らないし俺の部屋に連れて帰る事になった。





この時、無理矢理起こすなり、ビジネスホテルに連れて行くなりすればよかったんだが、そういった考えは残念な事に全く浮かばなかった。




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