双子☆Love
「……でも、恋愛になると僕たちはお互いに邪魔な存在になった。」



ここで、僕は一呼吸おいた。


「僕たち二人の顔を見抜けない女の子が多くてさ。僕を佑樹だと思ったり、佑樹を僕だと思ったりして、告白してきたり。そこをクリアして付き合ったとしても、そのあとでまた僕と佑樹を間違えて話してきたり、相談してきたりして。
本当に好きな人なら、見抜けると思うんだ。……でも、確率でいえば二分の一だし。僕も佑樹も、そんなことがある度傷ついたし、双子という関係を恨んだりした。」



「……うん。」



「でも、どれだけ恨んでも双子である事実は変えられないし、僕たちが傷ついても我慢しなくちゃいけないって思ってた。今は、佑樹の噂も色々聞くだろうけど、あの頃は佑樹も一途で素直だったんだ。」



僕は今も佑樹はそうだと思う。梨香を見つめるあの柔らかな視線。


何も変わってない。あの頃のままだった。
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