双子☆Love
「どうした?急に難しい顔して。」



「えっ?……ううん。何でもない。」



佑樹は確かに無愛想なことが多いけど、優しいところもある。

優ちゃんみたいに真っ直ぐじゃないし、不器用だけど、すごく優しい面がある。



「……何だよ?ニヤニヤして。」



「何でもない。それより、次はどこに行くんだっけ?」





私はそう言って鞄からしおりを取り出す。


「梨香って案外真面目なんだな。俺、しおりなんかどこにあるか分かんない。」


「……じゃあ、佑樹に行き先聞いても無駄だったんだ。」



「まぁ、そういうこと。どうせなら何か食いたいな。あんな貧相な弁当じゃ、腹は満たされねぇ。」



「夕御飯まで我慢しなよ。」




「とうもろこし、いくら、うに、かに、チーズケーキ……」




何かにとりつかれたように、北海道の名産品を呟き出す佑樹。



……キャラ、変わってない?




「と、とりあえずチョコあげるから、それで我慢して。」



「……分かった。」



佑樹って、お腹空くと子どもみたいになるんだ。


私に見せた新たな一面だった。
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