春恋
プロローグ
野々村春花という少女は
今時の普通の女子高生だ。

今時の普通の女子高生ように

髪を明るい茶色に染め

携帯には派手な
デコレーションをし

流行りの
メイクやファッションに敏感で

友人とイケメン芸能人が載っている雑誌を見ては楽しそうに話をして

授業中には
平気でメールをして
怒られたり

とにかく
野々村春花は
今時の普通の女子高生なのだ。

なのに何故

僕は彼女を見ると
「彼女」を思い出すのだろう。

僕を見る目。

彼女のふと見せる表情。

雰囲気。

全てが「彼女」と重なる。

「彼女」は彼女とは
似ても似つかないのに。

彼女を見るたび
僕の心はズキリと痛む。
「彼女」と出会った
あの春の日を思いだす。
そして
切なくも幸せだった。

「彼女」

中原さくらと過ごした日々を。

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