傷だらけのラブレター



「前からしつこく、愛未のことを紹介してほしいって言ってる男子がいるの。」

『……。』

「いつでもOKって言ってたから…。

今日、会ってみる?」




美嘉の問いかけに、固まっていた心が小さく揺れる。




“今日”とは、あまりにも唐突すぎるし、心の準備がまだ出来ていない。



それに、なんとなく、躊躇いたい気持ちが大きい。




けれども、直也を忘れるには、“今日”しかないような気もした。




…覚悟を決めよう。



逃げてばかりじゃ、いられない。




< 125 / 459 >

この作品をシェア

pagetop