傷だらけのラブレター
「前からしつこく、愛未のことを紹介してほしいって言ってる男子がいるの。」
『……。』
「いつでもOKって言ってたから…。
今日、会ってみる?」
美嘉の問いかけに、固まっていた心が小さく揺れる。
“今日”とは、あまりにも唐突すぎるし、心の準備がまだ出来ていない。
それに、なんとなく、躊躇いたい気持ちが大きい。
けれども、直也を忘れるには、“今日”しかないような気もした。
…覚悟を決めよう。
逃げてばかりじゃ、いられない。