傷だらけのラブレター



『……っ』




言葉が、上手く出てこなくて。



同時に強く感じたのは、輝くほどの生きる喜び。






――…私、生きてるんだ。



手術が、成功したんだ。





『…やったぁ…。』





そう思うと一気に肩の力が抜けて、なんだか泣きたくなる。



思わず前髪をクシャッとして、私は泣き笑いのような表情を見せてしまった。





…目を閉じれば、もう覚まさないかも知れないという、あの時の恐怖。



それをもう、感じることはない。



私は生きていけるんだ。





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