傷だらけのラブレター
「…そんなに、その子のラブレターが大事なわけ?」
『当たり前でしょ!?
こんなの直也らしくない!』
…そう。直也らしくないんだよ。
お調子者で。でも人の気持ちを考えられて。
明るくて。誰にも平等に接することができて。
そんな、直也はどこに行ったの?
こんなの優しい直也がすることじゃない。
「…愛未には、わかんないよな。」
ぼそりと。
小さく、だけど確かに私の耳に届いたその言葉。