傷だらけのラブレター



ふと見上げた直也は、怒り狂ってると言うよりは、寂しげに見えた。



…まるで、輝きを失った星みたいに。



私の知ってる直也じゃない。




『……。』

「愛未は一度だって、俺の気持ちをわかろうとしない。」




どこか抑揚がなく、けれどもしっかりしている、直也の口調と視線。



直也が何を考えてるのか、全く読めない。




…私には、わからないの?



私は直也の気持ちを、考えようとしなかった?




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