初恋
ミジメな私

一番

「あー…また一番か……」

3月24日
今日は始業式。 私は今年6年生になる。
周りからは「まだまだ子供だ」
とか、「小学生のくせに大人ぶってんじゃない」
とか、いろんなことを言われるけど、私たち小学生にしてみれば、もう十分いろんなこと知ってるし、そんなにバカではない。


特に、今の六年はいろんなこと、知らなくてもいいことをこれでもかってほど知ってる。


校門を入ってすぐの所に、新入生が独りポツと立って泣いていた。


私は子供が嫌いなのでシカトして行こうかと思ったが、声も出さずにすすり泣いていたその子をみると、立ち去るに立ち去れなくて結局


「どうしたの??」
と聞いてみた。

そのこは、
「………ひっく………うぅ……」
としゃくりあげて泣いているだけで、何も答えてくれない。

また苛立ちが募る。
苛立ちを抑えながら、
「お友達は??何で独りなの??」
と聞いてみた。
「…………うぅ…」

もはやこれはイジメに筆頭するシカトぶりだろう。
そこで日頃からカルシウムを取らない私は切れてしまった。
「泣いてるだけじゃわかんねぇんだよ!!
なんとか言ったらどうなんだよ!!」


大声で叫んだせいか、そのこは泣くのをやめ硬直してしまった。

その頃、私は髪を茶色に染めていて、いわゆる不良の中の1人だった。
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