屍都市Ⅱ
大きな車体のハンヴィーでは取り回しの悪そうな狭い道へと入っていく。

アーケード街。

本来は歩行者専用の道路の為、あまり道幅は広くない。

軍用車輌では車体を擦りそうだった。

事実何度かハンヴィーの車体を擦った末、奏はある場所で停車する。

「降りて」

純を先頭に車から降りる面々。

鬼島とゴロウも後に続く。

…そこはどう見ても喫茶店だった。

地下の一角にある小さな喫茶店。

立地的に客も少なそうで、とても商売繁盛しているようには見えない。

常連客だけで細々と経営しているのが見て取れるような寂れた店だ。

「こんな場所に何の用だ？」

「まぁ黙ってついて来て下さい」

奏が鬼島を案内する。

地下へと続く階段を下りていく鬼島達。

店の中に入ると、僅かばかりの照明のみが店内を照らし出していた。

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