屍都市Ⅱ
既に鬼島の使用していた自動小銃は弾切れした為に放棄してしまっている。

武器が調達できるというのは有り難い話だった。

アサルトライフルとグレネード(手榴弾)を手に取りながら。

「何故ここまで世話を焼いてくれる?」

鬼島は純達を見る。

「言った筈です」

夕映が無表情のまま呟いた。

「私達の役目は、ゾンビ災害から生存者を救う事だと」

「そうそう」

夕映の肩を両手で持って、彼女の背後から奏も言う。

「私達は助ける為に行動しているんです。それが一般人だろうと自衛隊の人だろうと関係ありません」

「……」

彼らの方が、余程国防を司るに相応しいかもしれないな…。

心の中で鬼島は呟いた。

「ところで、鬼島さんだっけ?」

純が言う。

「貴方ヘリの操縦は出来る?」

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