屍都市Ⅱ
完璧にイカレてやがる…!

同じ人間を目の前にしながら、躊躇う事なく撃ってくる榛原には憤りを覚える。

そんな天坏の目の前で。

「だがオッサンと撃ち合いしてても弾薬の無駄だな」

榛原は目の前の鉄のドアを蹴り飛ばして閉じると、容赦なくドアノブの鍵をかけた。

背後にゾンビが迫ってきている天坏を、そのまま施設内に閉じ込めてしまったのだ。

頑丈な鉄のドア。

天坏も銃を持ってはいるものの、とても弾丸で破れるような代物ではない。

何より天坏の背後からはゾンビの群れが迫ってきているのだ。

ドアを破る前にゾンビの餌食になるのは目に見えている。

(オッサン、死亡確定だな)

そんな事を考えてほくそ笑みながら、榛原はまた走り始めた。

…そう考えて当然だろう。

榛原は、天坏の職業を知らないのだから。

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