初恋少年・少女

二人の気持ち




私の中で一瞬、時が止まった。

「「あんた、爽風に恋したんだよ。」」


恋?私が?


爽風くん……に?


頭が混乱して上手く理解出来ない。

「そっかー、あの爽風にねぇ。」

「応援してるかんな!!頑張れよ、春花。」



それからあとの授業の内容や、くるみとか瑞希の話なんて全くと言っていいほど覚えていない。


とにかく今日は早く家へ帰って、明日になるのを一刻も早く待ちたかった。

だって、自分が恋してるなんて自分では全く分からない。


明日になれば爽風くんに名前を呼ばれたって、

笑顔を向けられたって

今日みたいな変な気持ちにはならないと思っていたから。


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