初恋少年・少女



~結城サイド~


今日の望はなんか変。


すっごい心配してくるし。


どうしたんだろ……?


図書室に来たものの、さっきからそんなことばかり考えていて


全くペンが動かない。


「あぁー!もう!!」


そういってペンを投げ出したとき、ドアが開いた。



望かなぁ?


「望……?もう部活終わったの…?」




「残念♪望くんではありません。」


え…?安藤くん?


「望待ってんの?俺結城さんのこと探してここ来たんだ。」


「なんで?」


「話したかったから。結城さんのこと好きだし。」


「え!?あれ本気だったの!?」


冗談かと思ってた…


「本気だよ。俺本当に望から結城さん奪うから。」


「そんなの無理に決まってる。だって私は望のことしか好きじゃないし…」


「じゃあ望は?もしかしたら、望を好きな子が望の心を動かすかもよ?」


そんなことあるわけない…………よ。


「ふっ………なんで、そういうことっ、言うのぉ?ひっく…。」


絶対そんなことないって思うのに、スゴク不安になる。


しかも安藤くんの前で泣いちゃうなんて……


「……ゴメン。でも、泣くってことは不安なんだろ?その気持ち、俺が受け止めてあげる。」


チュッ。


え……………………?


今の何?私、キスされた?



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