猛獣に射抜かれる様な愛


男が先程手に持っていた黒いボストンバッグへ視線を流した矢先…ガチャと音を立て浴室へ繋がるドアが開いた。



色素の薄い短髪の髮に少し小肥りな背の低い中年の男は腰にタオルを巻いただけの格好でこちらへと向かって来る。




「真理ちゃんだっけ。こう言う事はよくするのかい?」


「う~ん、あんまりだよ。おじさんみたいなイケメン久しぶり」




いつもより声のトーンを上げてわざと上目遣いで男を見上げる



イケメン…



正直、この男には程遠い言葉なんだけど…。



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