大きなクリスマスツリーの下で

誠司の恋人は、エミリーというアメリカ人の女性だった。

エミリーは、誠司より四っ年下で、ジェーンの友人である。


彼女は、父親がイギリス人で母親は日系人だった。
どちらかというと、母親似の日系人に見える。

彼女は、父親がアメリカ全土にレストランを経営している、大富豪のひとり娘だった。


二人が知り合ったのは、ジェーンから日本語の勉強をしたいという友人がいることで、誠司はエミリーを紹介された。

誠司は、皿洗いの収入だけでは、やってゆくのが難しいため、時給のいいエミリーの家庭教師を引き受けた。

誠司が二十歳、エミリーが十六歳の時だった。



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