夢幻の姫君
「失う? だから、真実って何?」

寂しそうに呟かれた声に少し動揺しながら、もう一度同じ事を訊く。

「姫!!」

健人が急に焦った様に声をかけた。

「何?」

無視して続ける。 そうしてレンは口を開いた。



「俺が、貴女を絶望に落としたから」



え? どういう事? だって彼は―――

ズキッ

「うっ・・・・・」

まただ、頭が痛い。
 何?今度は。何か聞こえる

『―――してたんだな!! 俺を騙したのか!!』
 男の人の声だ。レン?
 
『してないわ!! どうしてそんな事言うの? 私たち―――』
 誰? 銀色、いや灰色? 私に似ている・・・

『お前の事なんて、信じられない!! 俺の前から消えてくれ・・・』

『そんな・・・・・・ じゃあ最後のお願い聞いて。あなたは―――』
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