偶然聞こえたその音が


「えっ…」


ヒュー……チリーンチリーン


―その季節外れな風鈴の音が―



偶然聞こえたその音が



『おじいちゃんとな
聞いとったんよ
それ聞くと
おじいちゃん寝てってな』



どこから聞こえた音か
分からなかった



でも私はその音が
きっと
おじいちゃんが鳴らして
くれたと思った


「おじいちゃんっ…!」



流しきれなかった涙



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