火葬
 もう二度と、兄さんには会えない。
 もう二度と、私を慰めてくれることも、私の弱音を受け止めてくれることもなくなってしまった。
 もう二度と、お話を聞かせてくれることも、一緒に笑い合うこともなくなってしまったけど。
 だけどきっと、大好きだったあの空から、兄は私のことをいつまでも見守ってくれる。

 弱音を吐いて逃げ出そうとするような弱虫のままでは、昔のように兄にしがみついている泣き虫のままでは、きっと兄を心配させてしまう。

 私はまだ生きているんだ。

 大好きだった兄の分まで、生きていくんだ。

 私は、前を向いて生きていくんだ。

 雲になって、私を見守ってくれる兄が、いつまでも笑っていられるように。

 ―完―
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