虹色パレット
「笹河さん、お粥作ったんですけど…」



組長が恐る恐る入って聞いてきた。


今、食べたくない…。


でも…組長が作ってくれたものを、食えないと突き放すだなんて…無理だ。



「食べます」



「いっぱい食べて、早く元気になりましょうね!」



俺の胃頑張れ!!

これを食べたら、寝よう。


早く元気にならないと、いつまでも苦しむ。



俺が!!



「う……」



「お、おいしくなかったですか?」



「いえいえ!かなりうまくて!思わず泣きそうになるくらいうまいですっ」



泣きそうになるくらい、吐きそうになった。


まずいんじゃない。


何も食べたくないと胃が訴えているだけであって。


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