虹色パレット

×偶然のようで運命のようで×

熱、38.6度。

咳も酷く、何も食いたくないし、何もしたくない。



「…くっそ…」



3日も熱は下がらず、どんどん上がっていく。


風邪なんて久しぶりだな。

いや、馬鹿だからとかってのは違う。


つーか、そんな言葉なんて嘘だ、嘘。



「…あいつ…」


あの時…。



『あたしは、春香だけど?』



『は…?春香?』



『そうよ。久しぶり』



元カノの秋香の姉…長女の春香。



『何で…』



『だぁから、いい仕事があるって』



まさか、あいつと出会うだなんてな。


秋香と別れて以来、会わなかったしな。



…しかし、いい仕事ってのもな…。


< 289 / 400 >

この作品をシェア

pagetop