くじらとかめとつきのふね
青がさらさらと淡くなり

それと一緒に

星の鎖がひしひしと

お月様の舟を引っ張ります。

それに乗ったくじらは

少しずつ空を昇っていくのです。

くじらとお月様の舟は

少しずつ

遠くの水色に吸い込まれていきます。

だんだん、だんだん

お月様の舟に乗ったくじらが

水色の空に昇って

小さくなるように

溶けるように

だんだんだんだん

吸い込まれていきます。



かめはそれを眺めていました。
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