あひるの仔に天使の羽根を
 
諦めるなど真っ平ごめんだ。


俺の未来は俺のもの。


須臾如きに奪われて溜まるか。



――芹霞ちゃあああん!!


俺は、未来を変えたいが為に自分を変えたんだ。



俺が望む未来を引き寄せるためなら、

幾らだってもがいてやろう。



例え苦しくとも、例え辛くとも堪え忍んでやろう。


それで、芹霞と…友と共に居る未来が掴めるのなら。



無欲さだけでは何もなしえない。



欲して――

そこで初めて生まれる熱情こそが、

全てに打ち克つ力となるから。


俺という存在が、"貪欲さ"によって成り立つのなら。


俺はこの貪欲さによって、全てを手に入れる。


それが俺の…今在る理由。



俺を――なめるな。



虚仮にされた分は、倍以上で返してやる。



身が震える程の好戦的な興奮を、須臾に気づかれぬよう宥め抑えて。



"俺達は永遠だ"



芹霞に向け、そう口で形作り――


俺は愛する女の元を…離れた。

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