あひるの仔に天使の羽根を
「さて、シロ」
緋狭さんが、艶然と笑った。
「このまま醜行な"ゲーム"を続けるというのなら、私とアオ、2人を相手をして貰うぞ? お前は逃れられない」
「ええ!? 俺1人でいいよ、アカ~」
「黙れ。私だって1人で片付けられるわ。お前がどうしても混ぜろというから、混ぜてやったのだろうが。不満を言うな。また血を吐きたいか!!!」
「アカは結構根に持つよね~。いいじゃん、彼らのおかげで一網打尽なんだし、結果的に生きているんだしさ~、心配性なんだよアカ。あはははは~」
彼ら、とは俺達のことなんだろう。
俺達を囮に、捕まえる気だったのか。
参加者達と、白皇を。
五皇という立場故か、元老院という立場故か。
それでも違和感残るのは何故か。
慈悲深く正義派の紅皇であるならば、判る。
氷皇が、そんな感情の為に動くものだろうか。
大体、氷皇自ら制裁を下せたものを、俺達を使う手間をかけるなど。
それが必然、だとすれば。
裏に何らかの魂胆があるからに違いなく。
その魂胆を叶えるべき"駒"とみなされた俺達は、
実際言い様に利用された俺達は――何て!!!
「いつか、お前を使ってやる」
俺の決意めいた呟きに、
「俺がよぼよぼお爺さんになる前によろしくね~、楽しみにしているよ、カイクン。あはははは~」
胡散臭すぎる男は、苛立つことばかり述べて、
「助けた御礼、忘れないでね☆」
さらに。
本当に腹立つことばかり付け加えて。
俺は、絶対この男を扱き使えるだけの男になってやると、心に誓う。