あひるの仔に天使の羽根を
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カーテンから零れる、目映い陽光に目を覚ます。


どろりとした倦怠感が身体に残っている。


まるで真夜中に叩き起こされたかのような、深い眠りの残滓が意識に纏わり付いているようだ。


朧に目に映るのは、白い天井にぶら下がるシャンデリアで。


古さを主張するあたしの部屋……のものじゃない。


2ヶ月間、慣れ親しんだ病室のものでもない。



此処は――



「だけどこのままではッ!!!」



ああ。


あたしは"約束の地(カナン)"に居たのだと、


思い出した時には玲くんの荒々しい声が聞こえて。



――大丈夫だから。



櫂の声が脳裏に蘇ると同時に、煌を思い出した。



――芹霞ぁ……。



慌てて飛び起きる。




此処は――



あたしが最後に記憶する部屋ではなく。



初めて目にする部屋だった。




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