あひるの仔に天使の羽根を

・鉄鎖 玲Side

 玲Side
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白い修道服女が双月牙を取り出す前に、僕は彼女の腕を捻って押さえ込んだ。


僕の本気の相手をするには未熟過ぎる腕。


容易くねじ伏せた僕から、逃れる術すら持たず。


こんな女に煌がやられたというならば、それは偏に彼女が持っている武器による衝撃が大き過ぎただけのこと。


芹霞でも庇って、先に一撃食らったのか。


煌なら、偃月刀を持たずとも、体術だけでこの女を押さえ込めるはず。


こんな女に。


煌の腕を壊死させられるなんて。


僕の手の中には、奪い取ったばかりの小瓶。


本当かどうかは判らない"解毒剤"。


それでも。


賭けてみるしかない。


気づけば僕の周りにはぐるりと黄色い神父服の男達が取り囲み。


罪だ、断罪だと叫んでいる。


"男"ということに今更言い訳はしない。


正直、倒せる相手だったし、逃げ切れる数だった。


僕が一瞬戸惑ったのは、櫂の代行としての僕。


僕の動き1つで、櫂の足を引っ張ることになってはいけないと。


だから僕は、この事態を見つめているだろう各務家当主を窺い見た。


女を押さえ込んでいる理由なら正当な弁解が出来る。


"男"を偽ったこともそれに連ねられる。


全ては紫堂の次期当主を守るためだと。

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