あひるの仔に天使の羽根を
 

「刀を納めましょう、狂犬くん。

私がここを通してあげますから。


――…と、いうわけで司狼くん。

彼との遊戯は一時休止です。

また今度になさいなさい」



それは凛としていて、威圧的にも思える口調で。




「ええ~」


完全に口を尖らせたチビ陽斗――司狼。



「司狼くん。

侵入者摘発の総指揮に、ストレス溜まるのは判りますが、ここは各務主体の"約束の地(カナン)"。祭を控えての勝手なことは教祖様の意に反します」



教祖様?



「意味は判りますね、司狼くん?」


すると司狼は、完全不貞腐れたような顔で言った。


「判りました~。

榊(さかき)さん」



紫の奴は、榊って言うのか。


「逆らって僕まで断罪の対象になってしまったら、洒落にならないもんね。幾ら僕が"白"だからって、刹那様は容赦しないだろうし」



"刹那"



――刹那様に。

――またを愛して上げて下さい。


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