あひるの仔に天使の羽根を
 

――お前達も十分、判っていただろう?


俺が判っていたのは――


櫂が心底芹霞に惚れていたということ。


櫂が今、須臾に向ける眼差しで芹霞を見つめていたということ。


お前、悩んでいたじゃないかよ。


やつれる程深く、芹霞に想いが伝わらないって。


だから想いを理解させるって俺に言っただろう?


――お前の本気に応えて、俺も本気出すから。


お前の本気って何だよ。


そいつは芹霞じゃねえんだよ、櫂。


お前、本当に"須臾"を想っているのか?



「目……覚ませよ…」



確かに俺は。


芹霞と櫂の抱擁もキスも、見せつけられてきたけれど。


その度に胸が押し潰されそうに辛い想いしてきたけど。


だけど――

ここまで不快に思うことはなかった。



櫂だから。


芹霞だから。



だから俺は、嫉妬に狂わされていたんだ。



違う。


須臾は、櫂の"永遠"なんかじゃねえ。


そんなの俺が認めねえ。



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