あひるの仔に天使の羽根を


当然、初めに問うべき"儀式"の正体を突き詰めていない自分に呆然とする。


何だか頭が霞んでいて。


俺の記憶と、俺の心が乖離している心地になる。


まるで夢を見て、熱に浮かされているような状態。


本当にこのままでいいのか?


度重なる疑問。



須臾が好きで溜まらなくて。


想いが伝わったその幸せが嬉しくて。



だけど。


蘇るのは俺の想いだけで、そこに至る状況が思い出せない。


そこに響いた芹霞の声。


――バイバイ。



芹霞が持っていた俺の石。


何で俺の石が芹霞の元にある?



――バイバイ。



芹霞があっさり須臾に手渡したそれ。



俺の中に、亀裂が走る。



――芹霞ちゃあああん!!!



ずきん。



――…ないで、芹霞ちゃあああん!!



頭が痛い。



――今日の"夜"が楽しみだね。


ずきん。



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