あひるの仔に天使の羽根を
 

「な、れ、玲!!!?」


櫂のような痕跡が芹霞の身体に残って、それが芹霞を恐怖させているのなら、僕はそこに花を咲かせて新たに塗り替えてやる。


それは"僕"と僕の望みが一致した瞬間で。


もう何も考えられなくなるくらいに芹霞を欲した。


櫂になんて渡したくない。


このまま僕のものにしてしまいたい。


赤い、赤い花弁。


気狂いの僕が乱れ咲かせた、血のように鮮やかな僕の分身。


鳥肌の立つその未踏の肌に…絶え間なく"僕"を刻みつけていく。


気狂いの花が、芹霞に根を張る大木を凌駕していく。


香り立つ芹霞の"女"が僕を魅了していく。


「玲、やだ、やめて、ねえ!!!」


騒ぐ芹霞を抑えつけ、僕は芹霞の背中に回した指先で、彼女を締め付けている異物の封印を外す。


はらりと落ち行く……下着の行き先を目で追わずに。


僕は芹霞をぎゅっと抱きしめ、僕の肌で直に……芹霞の肌の体温を感じた。


欲しくて仕方が無い芹霞が、僕の中にいて。


直接触れ合う、柔らかなその肌の感触に…僕の身体に感電したような痺れが走る。

もっともっと近くで。


もっともっとその内部まで。


堪能したいと身体が疼き出す。


溜まらない。


僕は、芹霞の足の間を割って。

僕の手は芹霞の鎖骨を滑り落ちて。


「僕の……芹霞…」


――トメテ



僕は"男"で、芹霞は"女"で。


異性として生まれたことが嬉しくて。


堕ちたい。


どこまでも2人で堕ちていきたい。


「離さないよ?」


何処までも僕達は繋がったままで。


底知れぬ快楽を、分かち合おうよ。


――ボクヲトメテヨ!!!


その時。



「――…櫂ッッッ!!!」




芹霞が甲高く叫んで――



「芹霞ッッッ!!!」



ドアを吹っ飛ばして、櫂が現れた。



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