ヒミツの関係☆上司は幼なじみ!?

エイトはその言葉にぎゅっとあたしを抱き寄せ、髪を撫でた。

そんな触り方されたら、離れがたくなってしまう。



身体の芯からとろけそうなこの感覚は、キャラメルの甘さのせいだけじゃきっとない。

呼吸があがってしまったあたしを見て、エイトの唇が離れる。



エイトはあたしの指先だけ握って、耳元で囁いた。



「うち、来て」




あたし、また耳まで赤い。

きっと。

妙に恥ずかしいよ。




「今から」

その言葉に視線を泳がすあたしを見て、エイトは真剣な口調で言う。



動揺してきょろきょろしていると、大勢の人がいるこんなところで、キスしてしまったことを改めて思い出す。

念のため、福田さんがいないか確かめてしまった自分が憎い……。


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