じかんの代償
『1時間ぐらいして、愛華が買い物に行きたいって言い出したから出かけたんだ。
そしたらたまたま、社長に会ったんだ。
普通に飯束くんって声かけてきて、普通に話して「じゃあまた明日からも頑張ってね」って。
ありえないだろ。
死んだはずの人間が目の前にいるのに、普通なんて。
そんとき死んだって事自体が和喜以外の人間の記憶から消えてるんだって気が付いた。』
私は、
「記憶から消えてるならいいじゃん。
今までと変わらずに生きていけるじゃん。」
とだけ答えた。



翌日、仕事が終わってから役所に戸籍謄本を取りに行った。
兄の死という事実は、完全になくなっていた。
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