サヨナラのその日までそばにいさせて。



「どうしたの?ママは?」


慌てて駆け寄り、男の子に尋ねると泣きながらも答えてくれた。



「い、いなく、なっちゃったぁー…」


目に涙を浮かべ必死に泣き止もうとする。


目線が同じになるようにしゃがみ、男の子に笑いかける。



「ボク、名前は?」


「…カズ」


「カズ君か。カズ君はいくつなの?」


「5さい…」


手を開け、5才と示す。



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