サヨナラのその日までそばにいさせて。



「ごめん、高良くん…」


「太陽の両親も来てるよ」


「えっ?」


「院長と話してるみたいだから、後で来ると思う」



院長とは空良の父親で、昔、俺を診てくれていた人。


そして引っ越してからも気にかけていてくれた医師。



「…泣いてた?」


「えっ?」


「母さん、泣いてた?」


高良くんは眉を八の字に下げ、「そりゃあね、生死に関わるからね」と言った。



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