サヨナラのその日までそばにいさせて。



「私がアキを幸せにする!だから諦めたりしないでよ…。お願いだから、一人でいなくなろうとしないで」


「………」



「一緒にいてよ…」


ふぇ〜ん…と泣き出し、顔を手で覆う。



「アホやな、俺」


軽く自嘲し、咲希を抱き寄せた。


一瞬、ビクッと反応をした咲希の耳元で囁く。



「なら幸せにしてや」


「…するよ、絶対」


グスッと泣く咲希を腕から解放し、頬を伝う涙を拭う。


うるうるとした瞳をする咲希を引き寄せ、優しく唇を重ねた―…



< 270 / 474 >

この作品をシェア

pagetop