サヨナラのその日までそばにいさせて。



「…そんなこと」


チラッと図書室にいる生徒に視線をやり、困ったように返事してくる。



「もういいよ!アキも空良も秘密ばっかり…」


私だってアキのこともっと知りたいのに。



「泣くなよ…」


涙を流す私を見て、困惑の表情を浮かべるアキ。



「…帰る」


図書室で泣き、騒ぐわけにはいかない。


急いで勉強道具を片付け、引き止めるアキを無視して図書室を後にした。



ムカつく…っ!


私は一体何なのよ!


ずんずんと足を下駄箱に向かわせ、渡り廊下を歩いていると、後ろから声が聞こえてきた。



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