サヨナラのその日までそばにいさせて。



「…アキからね、毎日メールと電話がくるの」


「うん」



「"大丈夫やから心配すんな"とか、"何で来ぉへんねん"とか…」


「…うん」



「…"会いたい"って」


「…うん」



「でも私はアキと会えない」


そう言って泣くのを堪える咲希に、かける言葉が思いつかなかった。



夕焼けがさす教室に沈黙が続く。



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