サヨナラのその日までそばにいさせて。



「アキ、何してんの?」


パッと顔を上げると咲希が不思議そうな顔をして立っていた。



「帰る」


「なんで?体育祭の予行練習あるよ?」


「あー…うん、俺は練習せんでもえぇから」


つーか練習出来んし、それに当日は見学なんやけどな。


って言うわけにもいかず…。



「練習しないって…どんだけ自信過剰?」


呆れたように笑う咲希。



「本番見たら驚くぞ」


ははっと笑う。


そう、俺じゃなくて空良が走るから。



< 82 / 474 >

この作品をシェア

pagetop