ご主人様はお医者様


そういうと、彬はニヤリと笑う。


自身に満ちた笑み


プライドの高い彬らしい表情――、


この顔が好き――……。


でも、こんな風に強引なのはちょっと・・・




「……小春?誰と一緒だった」


「しょ、職場の……」


「沢木か」



ううっ…ばれてる!!



「…ごめんなさ……きゃっ」



私の体はベットの上に投げ出され、ひんやりとしたシーツに全身が沈む。


思わずつむった瞳を開けると、目の前に彬の顔があった。



「堂々と浮気か」


「ちがうっ、だって彬が……」


「学会の件黙ってたからか」


「そう……しかもあの時怒って出て行っちゃったじゃない。

だから帰りたくなくて…」


「はーーっ」



彬はやれやれとでも言うようにため息を吐いた。





< 242 / 304 >

この作品をシェア

pagetop