ご主人様はお医者様
何杯飲んだだろう――さすがに酔いが回ってきた。
でも、森先生は仕事の話や医局の裏話なんかを饒舌に語っている。
「今度僕は小児科でしょ?僕さ、本当は外科志望なんだよね。目標は高木先生。マジで尊敬してるんだけど、もうすぐ大学へ戻るみたいでさ」
「大学へ戻るんですか!?」
知らなかった、そんなこと一言も言ってくれない。
「高木先生は及川さんの事好きなの?」
「好き……、とは言ってくれました」
「そう、好きな人と結婚する相手は別ってことだよね」
結婚――――!?
「大学へ戻るにあたって、教授からある申し出があったんだ」
「申し出……ですか?」
「帝都ホテルで、両親も交えた6人での会食」
「それって……」