田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
シィエ達は旦那様が怖かったがそんな旦那様を奥様は軽くあしらう

「はいはい、わかってますよ」

奥様はお手伝いさんに軽く目配せをした

「おキヨさん食事の支度をお願いね」

「はい奥様、二人ともこちらで手足を洗いましょうね」

裏の井戸端で二人は手足を洗った

お勝手へつれていかれるとそこに並んだ食事をみて二人は声をあげる

「うわっ」

「ごちそうやねヨッコちゃん」

「うんこがんごちそうは正月にも食べたことなか」

二人は手を合わせゆうげの祈りをささげあっという間に夕食をたいらげてしまった

二人は風呂に入りこれまたみたことがないようなフカフカの布団に寝かされた

長旅の疲れもありすぐに二人はねいきをたて…こうして奉公初日を終えた
< 18 / 202 >

この作品をシェア

pagetop