田舎の花~原爆を生き抜いたシイエ~
朝は誰よりも早く起きて朝食の支度をする

学校に工場、店の仕事に稽古まである

忙しい毎日に暇をみつけてはシイエは愛しい人の家へ通い続けた

次第にはるもシイエに気をゆるし自分達の事をあれこれシイエに話して聞かせた

五島で生まれ父親が肩代わりした借金のせいで五島をおわれ平戸に移ったこと

それからまだ幼いうちに長崎市内の西山に移り住んだ事

両親とたくさんの兄弟に囲まれた幸せな暮らしも長くは続かず今はたった二人の兄妹になった事…

シイエは聞けば聞くほどますます自分ができることは何でもしたいと強く感じるようになっていった
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