逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




その夜は、星砂のキーホルダーを握りしめて眠りにつく。



枕がじわりと涙で濡れていく。



「……橘くん……っ……」



あたしの願いは



“君が幸せになること”



だからあの日、



あたしは

繋いだ手を離したの。



それを忘れてはいけない。



これから何があっても。



絶対に。



絶対に。



そう心に誓ったのに。



なのに……逢いたいよ……。



手を握って。



あの夜みたいに。



そばにいて。



あたしを助けて……。



「……うぅ……っ……」



残ったのは、これだけ。



もう何も失いたくない。



いまにも壊れてしまいそうな



あたしの心を支えてるのは、



この星砂のキーホルダー。



それだけだから――。
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