逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
「あの日……俺は親父を殺そうとしたんだ」
中1の終わり頃、俺にもとうとう限界のときがやってきた。
前の日も、その前の日も、親父から暴力を受けて、体中にアザと痛みが残ってた。
そしてあの日……日が暮れた頃、俺は家に帰った。
親父は相変わらず、仕事も探さずに家で酒を飲んでいた。
目もすわり、すでに酔っぱらっている状態だった。
また今日も殴られる……そう頭によぎる。
俺はテーブルの上や床に散乱した酒の瓶を、黙って片付け始める。
『もうそのへんにしとけよ……』
俺の言葉に親父は怒鳴り声を上げた。
『うっせぇんだよ……!生意気いいやがって』
俺は無視して酒の瓶を両手に持ち、キッチンに運ぶ。
『オイ、コラァ!』
親父は、テーブルの上に置いてあった酒の入ったガラスのコップを壁に投げつけた。
――ガチャンッ。
ガラスのコップの破片が床に散らばった。
『おまえ、俺をバカにしてんのか?あ?』
『親父……もうやめてくれよ』