逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
「くぼっち……俺の過去の話なんか聞いてくれてありがとな」
くぼっちは、まだ泣いている。
「このこと友達に話すことは一生ないって思ってたけど、くぼっちには話したいって思ったんだ」
「る、琉生くーんっ」
くぼっちは寝っ転がってる俺に、抱きついてくる。
「やーめーろーっ」
「琉生くん~っ!大好きよぉ~」
「ちょ、ちょ……キモイって!オイ、離れろって……!」
くぼっちは頬をぷくーっと膨らませて、俺の体から離れた。
俺は起き上がって、あぐらをかいて座る。
「なぁ……橘……」
ふざけてたくせに、急に真剣になるくぼっち。
俺はくぼっちの横顔をジッと見つめる。
「なに……?」
「あの頃の橘を、俺は助けることできなかったけど……いまも、これから先も……なんかあったときは俺がいるかんな」
くぼっち……。
「忘れんなよ?俺はいつだって、おまえの味方だかんなっ」
「ん……」
少しの沈黙のあと、くぼっちが口を開いた。
「もぉ~琉生くんてばぁ~。俺の優しい言葉に感激して泣いちゃうなんてぇ~」
「ごめん、泣いてねぇーけど」
「泣いていいのよぉ?」
くぼっちは俺の肩をポンポンと叩く。
「くぼっち……ありがとな」
そう俺が言うと、くぼっちは満面の笑みを見せた。
“橘くんて……本当は誰にも、心を開いてないよね……?”
いまはもう、誰にも心を開いてないわけじゃない。
あの頃とは違う。
自分の心を見せられる人がいる。
いま、俺の隣にいるやつも、
そのひとりだ。