逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




**********

“涙星”



夜空を見上げたら

今日も涙が流れた



流れて

きらり光って



涙と星は似てる



それとも



涙は、いつか星になるの?



いま見てるこの星が

何年も前の光なら



いつか



星になった私の涙

かき集めたら



大きな光になるかな



つらく悲しい

真っ暗な世界でも



強い光になれるかな



“涙星”



きっとどこかで

誰かも見つめてる

**********




――咲下。



遠い街で、キミもこの星を見てる?



いまもキミは、真っ暗な夜の中にいて。



息をすることさえも、必死だったのに。



あの時のように、“助けて”と叫んでいたはずなのに。



俺は何もわかってなかった。



苦しんでるキミを。



ひとりで泣いてるキミを。



俺は見つけてあげられなかった。



ごめんな、咲下……。
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