TENDRE POISON ~優しい毒~

シャワーを浴びるときにはずした包帯の下は防水の大きな絆創膏が貼ってあった。


保健医のやつ。案外まめだなぁ。


そんなことを考えながら、シャワーを浴びる。


バスルームはアイボリーホワイト一色で清潔そうだった。


きっとまめに掃除してるんだなぁ。


あたしはシャワーを浴びながら、掃除をする神代の姿を思い浮かべてちょっと笑った。




何か可愛い。



そう思ってはっとなった。


なに考えてるんだ、あたしは。




シャワーには思ったより時間がかかった。


ガチャッとバスルームの扉を開けて顔を覗かせると、神代が目の前に立っていた。


ノックをしようとしていたのだろうか、握った拳が宙ぶらりんになっている。


「「わ!」」


二人の声が重なった。


神代は慌てて背中を向け、あたしはバスルームに引っ込んだ。


「あ、あんまり遅いんで心配したんだ」


「遅いってどれぐらい入ってた?」


「一時間半ぐらい」


「え?心配かけてごめん」


そんなに経ってたのか。そりゃ心配するわな。


「いいよ。怪我した場所は大丈夫?」


「うん。慣れないから遅くなっちゃった。でも保健医がしっかり絆創膏してくれたおかげで傷も痛まなかったよ」


「そっか、じゃこれバスタオル。ここ置いておくから」


向こうを向いた神代の耳が真っ赤になってる。


神代はバスルームの脱衣かごの上にバスタオルを置いてほとんど逃げるように足早に去っていった。





び……くりした!




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